BLじゃない、BL風味でもない、じゃ一般作かと言うとそーでもない。これは男性も女性も出てくるお話を男性キャストだけでやろうじゃないかと言う「メンズオンリーシリーズ」の一作です。

若草物語~紙ヒコーキに乗って~
CAST 鳥海浩輔 吉野裕行 立花慎之介 梶裕貴 櫻井孝宏 藤原啓二 安元洋貴 大川透

あらすじ若草物語
マーチ家のメグ(鳥海さん)、ジョー(吉野さん)、べス(立花さん)、エイミー(梶さん)はとっても仲のいい4姉妹。でも大好きなお父様が出兵した今年のクリスマスは、お母様(藤原さん)も含め女ばかりで過ごすちょっとさみしいものに。そんな中で親切にしてくれるのは隣に住む気難しそうだけど親切で優しいのローレンスさんとその孫ローリー(櫻井さん)、偏屈だけど本当はマーチ家を気にかけているマーチおばさん。姉妹はお互いに助け合い、周りの人たちにも支えられ、また彼女たちも周りを支えながら成長していきます。そんな彼女たちの1年を追う物語です。
.:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.*:.

モモグレさんから出ている「メンズオンリーシリーズ」の1作です。
ごく普通の物語を、男性キャストだけでやってみようという面白い企画で、ギャグではなく大真面目に男性が女性を演じてるのが聞きどころ。
色んな作品が出ててどれもすっごく気になったんだけど、立花スキーとしてはやはり立花慎之介さんの出てる作品は外せない。
なので、最初に買ったメンズオンリーは「若草物語」です。
「ロミオとジュリエット」も気になったんだよ~主演神谷さんだし、でもロミオが神谷さんならもっといいのに・・・と言うことでこっちにしました。

で、若草物語。
花杏が初めて見た若草物語は実写ものです。
シリーズものではなくて単発2時間くらいの作品で、テレビ放送した映画もしくはスペシャルドラマだと思うんですけど、子供のころの記憶なのでとてもあいまいです。
雰囲気は「大草原の小さな家」みたいな感じだったんで、アメリカにいた頃に見たんだと思います。
で、これ見ながらわんわん泣いた記憶がやたら鮮明に残ってます、『若草物語って悲しい』ってのが第一印象。
だってこの作品、物語の終盤で猩紅熱にかかったべスが死んじゃうんです。
どんな話かほとんどわかってなかったと思うんですけど、ここだけめっちゃ覚えてます。
このエピソードがドラマの脚色だってわかったのはずっと後のことで、本来のお話ではべスはここでは死なないんですけどね。
でも、お隣のローリーはあんなに仲良しだったジョーではなくエイミーと結婚するし、猩紅熱からは生還したけどべスは結局早死にしてしまうし、何となく消化不良~な作品だったりします。

そして、メンズオンリー版の若草物語、立花さんがべス役です。
で、思った、立花さんのベスなら流行病くらいじゃ簡単には死ななさそうだ、っつかかなり元気なベスを期待できる(イメージはかなり千秋寄り)
花杏の悲しい記憶を立花ベスに塗り替えてもらおうじゃないの!
カモン立花ベスカモォォォン。

視聴結果。
お父様のいないクリスマスからお父様の帰ってくるクリスマスまでの1年を描いた物語で、駆け足ながら若草物語の有名なエピソードを取りこぼすことなく音声化してありました。
社交界に憧れる長女は自身の結婚に直面し、小説家を夢見る次女は髪を切り、ピアノを弾くのが大好きな三女は生死の境をさまよい、、淑女になるべくいっぱい背伸びをしていた四女は池に落ちる、チャポン。
有名な物語なので話知ってる人も多いかな。
で、問題の「演者全員男性」はどうだったかと言いますと、結構それっぽく聞こえるもんだな・・・・って思いました。
男性しかいないし無理に声を作ってるわけでもないのに、ちゃんとみんなその役に聞こえる(でもどーしても一人だけそう聞こえなかった・・・(T_T))

立花さんから書いちゃったので三女から。
立花ベスはちゃんと「内気だけど優しい三女」でしたよ、あまりに儚げで逆にびっくりしました。
比較的声も高めなんで、ほとんど違和感ないかも。
お隣のローレンスさんにピアノのお礼を言うところでは、だいぶ元気モードが出てきてて千秋化してましたけどね。

もう御一方、声の高さ的にも違和感ゼロなのが四女の梶エイミー。
声の高さがほぼ女性音域なうえ、「まぁ」「んもうっ」「きゃぁ」がホント、普通に女子。
違和感ないどころか、コレ女子だろ全然女の子だろ。
特典フリトで『女性で笑ったり驚いたりするのが難しい』って皆さん言ってたけど、梶さん、さらりとやってのけてる気がするよ。

次女の吉野ジョーは、音域がだいぶ下がるので声的には『男性』で聞こえてくるんですが、それでもちゃんとジョーでした。
っていうか、4姉妹で一番役にリンクしてたのは吉野さんじゃないかと思う。
ジョーってすごくボーイッシュな性格で、お隣のローリーとも男友達みたいに遊んでる女の子なんだけど、そーいう雰囲気が凄い伝わってきた。
声も男性でキャラクターもボーイッシュで、でも女の子してたよすげー!
自慢の長い髪の毛を切った夜にベッドで泣くシーンなんか可愛かった~(≡ω≡)

で、長女鳥海メグ。
ごめんなさいどーしてもメグだけメグに聞こえてこなかったです。゜(´Д`)゜。
鳥海さんのせいじゃない決してそうじゃないメグの女子力が高すぎるのがいけないんだ絶対そうだ。
メグは凄く美人で、社交界への憧れも強くて、恋をするお年頃で、でも4姉妹の長女なのでお母さん的な包容力もある人。
猩紅熱で苦しむベスに対するメグの献身ぶりはまさしく母、とにかくメグの女子力って言ったら半端ないの。
これはね、無理よ、女性声優さんだって苦労する役だと思うもの。
鳥海さん、なんて大変な役を引き受けちゃったのかしら・・・。

お隣のおうちのお坊ちゃまは櫻井ローリー。
櫻井さんは男の子の役です、男性だから男性の役やるのは普通なんですが、ほかの人がほぼ女性役で出ていらっしゃるんで、逆に男性役なのが不思議ですあらなぜかしら?
ちなみに櫻井さんはメンズオンリーシリーズ出演2作目だそうで、前に出たときは女性役。
どうやら『真夏の夜の夢』のことのようです。これもいつか聞いてみたいなぁ。
ジョーとよくつるんでる子なので吉野さんとの共演シーンが多いわけですけど、男勝りな女の子に振り回されるいいとこの坊ちゃん感がイイッ!。

4姉妹のお母様は藤原『啓子』ではなく啓二さん。
・・・・・・・・・・フリトで自分からそう名乗ったんだよ!
いやでも、自ら名乗るだけあって、本当に啓子さんでした、間違えた、お母さまでした。
声はめっちゃ低いんですよ、普通に男性の音域、でも、話し方がお母さまなの、優しい4姉妹の母なんですよ。
さすが、さすが啓子さん。

マーチ家の使用人は安元ハンナ。
若草物語の時代では、アフリカ系移民=奴隷が当たり前なので、ブラックの方々を使用人としておいているお宅ってのは普通です。
ハンナはマーチ家に住み込みでお手伝いさんをしているブラック系の女性です、4姉妹から頼りにされてる人ですが、使用人なので話し言葉はかなり丁寧。
安元さんが、特に声を作るわけでもなく、性別関係ない話し言葉で話すので、本人曰く『普通の安元洋貴を提供』する結果になったとか。
なので、立花さんのお宅の使用人安元さんですけど、カリー国の人っぽくはなかったですププッ(* ̄m ̄)o))

大川さんはナレーター&一瞬マーチ叔母様。
大川さんもメンズオンリーシリーズは2回目?これまた『真夏の夜の夢』のことみたい。
櫻井さんとは逆で前回は男役、今回は女性役・・・と思ったらマーチ叔母様での登場は一瞬でしたね。

とまぁ、こんな感じでそれっぽく聞こるのです。
面白かった、かなり面白かったです楽しかったです。
若草物語は恋愛のお話があまりないので男性同士でのラブシーンがほぼゼロで、BL風味で括るのも申し訳ない気はするんですけどね。
だから、次は恋愛メインのメンズオンリーシリーズ行ってみようと思います。
ってことは、やっぱロミジュリ?
でも、櫻井さんと大川さんが参加した『真夏の夜の夢』も気になるし、ディズニーファンとしては『美女と野獣』なんかも気になるし、少女漫画好きとしてはベルばらも外せないし、漫画の神様の作品『リボンの騎士』も聞いてみたい。
いかん、全部聞いてみたい。

*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*