1作目も2作目も不思議な終わり方をしたお話の最終話です。ハッピーエンドで終わっているようだけど、「そして二人はいつまでも幸せに暮らしました」なんておとぎ話なんかでは決してないと突きつけてくる凄い話だった。幸せって、どんな基準で誰がどうやって決めるんだろうね?

俎上の鯉は二度跳ねる2
CAST 中村悠一×遊佐浩二 遊佐浩二×中村悠一

あらすじ
窮鼠チーズ3
同性愛者のまねごとをしたことがあった。大学時代の後輩でゲイの噂のあった男今ヶ瀬との恋愛。別れた今では、お互いどこで何をしてるのかも知らないけど、時々お前の髪を撫でてやりたいと思う。俺じゃなくてもいい、誰かがお前の隣でそうしてくれていればいい。正直、もう今ヶ瀬には会いたくない。一生涯のパートナーとしていてやれる自信なんかないし、一時の快楽のために自分の幸せを犠牲にするつもりもない。男を愛人にするのもごめんだ。それでも、お前の幸せを願わずにはいられないよ。
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CD聞いて「スゲーこれとんでもねー」と思って原作買って「うわーこの人少女漫画書いてるあの人じゃん」ってなって、加えて最近(2013年11月)この方の別の漫画が山風(仮名)のジョン(偽名)主演でゲツク決定とかで、只今『漫画家水城せとな』が熱い花杏です。
窮鼠~だけじゃなくてBL書いてらしたんですね、同棲愛も読みました、こちらもドラマCDになってるらしいので、今度入手して聞いてみようと思います。
ところで、ジョンさんのやるショコラティエさんは根っこの部分がかなり今ヶ瀬な人ですけど、ゴールデンタイムのドラマ枠でやって大丈夫でしょうか?

さてさて、「窮鼠はチーズの夢を見る」では桃太郎の桃もびっくりのどんぶらこっぷりを披露してくれた中村悠一さん演じる流され侍大伴恭一さんは、続編「俎上の鯉は二度跳ねる1」で流されつつも責任を取ろうと思・・・ったのに結局自分の意思がなかったことで今ヶ瀬泣かせて破局を迎えました。
2では、破局のきっかけとなった部下のたまき(斉藤千和さん)とお付き合いして数か月たった状態でスタートです。
BLですけど普通の男女の恋愛話、ごく普通の恋愛のお話で、たぶんこの後お互いの両親にあいさつに行って、会社にも報告して、みんなから祝福されて結婚するんだろうな~、って未来が簡単に想像できる二人です。
今ヶ瀬とは連絡を取り合っていないので、お互いどこでどうしてるかなんて知らないのね、少なくとも恭一は今ヶ瀬の今を知らない。
しばらく恭一とたまきの二人で話が進むんですが、ストーカーに悩んだたまきが恭一に言うより先に相談したのが今ヶ瀬で、破局のきっかけになった子が二人を繋いでてくれたことになります。
事件が動いてやっと登場の今ヶ瀬遊佐さん、たまきの病室の前で再会します。
たまきをちゃんと守れなかったことの言い訳にはじまり別れてからの男関係とかパニックでヤバヤバだったこととか、今ヶ瀬が一方的に話すの。
さらっと話すんだけど内容は結構ヘビーで、窮鼠~のときは百戦錬磨の女風だったのに、ここではダメダメな男感山盛りで、今ヶ瀬さん大丈夫だろうかと心配になります。
ここはもう完全に遊佐劇場です、っていうか、しばらく遊佐劇場。
恭一もいるんですけど、会話の主導権は恭一なんですけど、遊佐さんが全ての空気を動かしてる感じ。
で、「俺を愛人にしてもらえませんか」とくる。
「自分が幸せかどうかは俺が決めます」とくる。
でも、恭一に一蹴されて終わりです。
今ヶ瀬完敗・・・と思いきや、部屋にあった今ヶ瀬の灰皿を見つけて食い下がるわけなんですけど、漫画だとここ絵だけで進むシーンなの。
水城さんの漫画で特徴的によく出てくるのが、ページが文字で埋め尽くされてるような会話のあとに文字の一切ないページが出てくるってヤツ。
この灰皿のシーンはほんの数コマで今ヶ瀬の心情が丸わかりの「凄いよ水城せとなサンまじスゲー」のページなんですけど、CDなんで、絵ないんで、ここは遊佐さんのモノローグで状況説明されてました。
ここの脚本はちょっと説明しすぎな気もしましたけど、雰囲気を壊してるわけでもないので良しとしましょう。
遊佐劇場はさらに続き~~~ここ文字で説明したってどうせうまくいきっこないので割愛しますが、まぁいろいろ駆け引きめいたものがありまして、結局ベッドになだれ込みます。
ちなみにはじめは恭一×今ヶ瀬で、一戦交えた後は今ヶ瀬×恭一です。
さて、遊佐劇場はまだまだ続きます。
ここからピロートークなわけですが、んーとえっとぉ、ェチィのあとベッドでゴロゴロしながらする会話なんでピロートークではあると思うんですけど、会話の内容は全然「ピロートーク」じゃないですあしからず。
恭一と今ヶ瀬の会話シーンなのに遊佐遊佐言ってるのは、強かったり弱かったり卑怯だったり可愛かったりとセリフごとにころころ変わる不安定で面倒な今ヶ瀬を完璧に表現してたから。
こんなわけわかんない男よく演れるよなホント遊佐さんって凄い。

さてさてさて、置いてきぼりにしてしまいましたが中村さん、彼の凄さはここからです。
「自分が幸せかどうかは俺が決める」
前の日に今ヶ瀬が言ったセリフですが、今度は恭一が言います。
今まで流れに身を任せていた恭一が、今度はどの流れに乗るのか自分で選ぼうとします。
人間そう簡単には変われない、恭一のセリフですが、うん、花杏もそう思います。
流れの中にいるのが大伴恭一なんです、それでも、その中で最大限の努力をしようとする。
窮鼠~のときの恭一から見れば、凄い進歩だと思うのです。
たまきを捨てて今ヶ瀬を選ぶ決心をした恭一は、別れを告げにたまきの入院してる病院へ。
恭一とたまきの別れ話シーンとなるわけですが、まぁ恭一さんが素晴らしく優しい。
「たまきが好きなのも本心なんだよ」のセリフそのままです。
まぁご本人キャストコメントで「自分ならたまきを取る」と言ったくらいだしね。
別れる必要ないじゃん今からでもたまきにしちゃえばいいじゃんと思わせるのはさすが。

でもでも、たまきを好きなのも本心だけど今ヶ瀬を選んだってのは、たまきと今ヶ瀬を比べて今ヶ瀬の方が好きだったってことじゃないと思うのです。
たまきを好きな恭一と、今ヶ瀬を手放せない恭一は、相反することは無かったんだと思うの。
恭一が自分を中心にして自分の幸せを考えたのなら、選ぶのはたまき。
世間体とか会社での立場とか、そういうのを考えても選んだのはたまき。
誰がどう見たって、たまきを選んだ方が恭一の為なんですよ、恋愛ならたまきでよかったんです。
でも、恭一はたまきと今ヶ瀬の幸せを秤にかけたんじゃないのかな?
それで、今ヶ瀬に自分の人生あげても良いかなー、ってそれってもう究極。
花杏には、恭一の今ヶ瀬に対する思いは、恋愛の域を超えてるって感じました。
だからこその
「俺の人生なんてどうにでもなるんだからさ」
のセリフにつながってくと思うのです。
人の為の自分の人生があるなら、それは自分の人生の幸せより凄いことなんじゃないかしら。

一作目のタイトルの「窮鼠」は恭一のことでした、2・3作目のタイトルの「俎上の鯉」は今ヶ瀬の事。
意味は分からないけど興味を引くなって思ったタイトルが、主人公のことをこんなにも的確に言い表していたとは思いませんでした。
凄い話に出会っちゃったな~いろいろ考えさせられました。


で、最後の最後、1分ちょっとのオマケトラック、夏生先輩再登場。

「今ヶ瀬良い男だったのに、くだらない女に成り下がっちゃって、くだらない男にしがみつくから、はぁ~」

からの今ヶ瀬のオーダー

「カシスオレンジ♪」

もぅ最高♪
ずっしり重かった本編の後味をさっぱりさせる素敵なオマケでした。

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