シリーズの最終巻にして初めて(じゃなかったことにマンガ読んで気づきましたごめんなさい最初に出てきたのは是3で守夜が言ってます)『是』という言葉が作中に登場。このお話のタイトルの意味がやっと掴めました。

是 -ZE- FINAL

CAST 一条和矢×下野紘 小西克幸 千葉進歩 中井和哉 谷山紀章 前野智昭 鳥海浩輔 三宅健太×平川大輔

あらすじZE6-2
外部の者の侵入を拒む三刀の里、そこに流れ着いた貴光と穂積の兄弟。何年間も変わらなかった里での生活は、この兄弟の出現で変化し始める。借金まみれの弟と尻拭いばかりさせられた兄、そんな二人の仲が良いはずもなく、やがて穂積は宇多を連れて里を出ていった。宇多と里をつなぐのは、年に数回出される宇多からの手紙。数年後宇多は子を産み、その子は力一が『彰伊』と名付けた。三刀の里にいる者にとっても希望であり宝である彰伊、だが実の父親である穂積は金儲けの手段として利用しようとしていた。
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皆様「是1~5」は聞き終わってますか?
もしくは原作読んでどんな話か分かってますか?
今回のお話は過去編なので、ストーリーラインを追うにはこのCDだけでも迷子にはなりませんが、本作の主人公は和記です、是シリーズすべてに出演し三刀の家で絶対的な権力を持つ謎の人物のお話です。
しかも、今回BL的にはあまり期待しない方がいい感じです。
「是」はこのCDだけ持ってる、なんて人はいないとは思いますが、一応。
今までのお話全部聞いてor読んでからCDを聞こうね!

今回のCDは過去編ですが、物語の始まりは現代。
奇跡の再生で「本っ当に元のままだな@近衛(中井さん)」の阿沙利(進歩さん)にぶーたれる和記(一条さん)は、記憶をなくして再生した氷見(平川さん)呼び出していびり倒し玄間(三宅さん)にブチ切れられてます。
あ、そうそう、鳥海さんのヘタレ演技万歳な雷蔵君が、是1以来の超ご無沙汰で再登場しました。
三宅さん&平川さんは3以来、お二人は本CDでのBL部分のお当番カッポーです。
ちなみに是4で小っちゃい琴葉を演じたこおろぎさとみさんも再登場。
こおろぎさん今回は紙様「白波瀬」役、是4で白波瀬が一言だけ話したトコもこおろぎさんがやったみたいなので『再登場』です。
貴光も前作前々作に引き続き登場、この方CDごとに担当声優さんが変わります(´д`ι)、今回は前野智昭さんイェ~イイケメン

トラック2からが過去編。
和記っていったい何歳?と言う疑問は早々に吹っ飛びます、外見変わらずおっそろしく長生きさんで、お腹にぐっさり刀傷負って滝から落ちても死なない不死身さんです。
和記を拾った(助けたとかじゃない)のが、この里に住む呪い業を生業とする一族の男力一(小西さん)。
満を持して伝説の男登場、彰伊と琴葉のおじいちゃんで阿沙利と近衛の元々の主、名前だけは何度も出てきていた最強の言霊師です。
もの凄い力のある言霊師なんで、もっと強烈な声の人を当てるかと思ったけど、伝説とは裏腹に力一さんかなりノリの軽い人だったんで、爽やかコニタンむしろピッタリでした。
まね、あのどろっどろした一条和記に加えて故内海賢二さん張りの超強烈重低音さん力一だとしたら重たくてしょうがないかも。
それに、小西力一さんは、普段が軽い分言霊使ったときの声が際立ってカッコ良い。
一条さんは一貫して色気封印で「得体のしれない男」和記を演じてらっしゃいます。
是1のときはもうちょっと明るいトーンだったけど、根底に真っ黒い物がでろりーんって印象は変わってません。
和記と会話をしていく中で、力一は和記に惚れちゃいます
でも、BLで男が男に惚れてるのに、そーいう意味じゃないんですうにゃはははは。
あくまで体育会系の『惚れた』で、妹の旦那にしたかったけど断わられちゃったんで自分が貰ったとか、そのノリで「和記は大事な嫁」とか、あぁもぅ微妙〜。

さてその妹さん「宇多(中原麻衣さん)」は名前が出ることすら初めてさん。
いたんだ、妹さん。
この人も相当に力のある言霊使いで、呪い返しで受けた傷跡が顔の真ん中にざくっとあって、その傷とともに心にも大きな傷を負ってしまった優しい女の子で、人を呪い殺す言葉をつかう感じのしない優しい声の持ち主。
ちなみに宇多の顔の傷は、和記が紙人形を使って消してくれました。
宇多に抱っこされて登場したのが千乃(高本めぐみさん)、力一の子供で琴葉のお母さんですが、まだ赤ちゃんなのでここでは言葉を発しません。
傷を移す紙人形を和記が気に入ってぼんぼん言霊使って荒稼ぎするんですが、力一さん「死ね死ね」言いまくるもんですから何枚あっても全然足りない、着物も繕っても繕っても破いてきます。
そこで和記が作ったのが再生可能で人にそっくりな紙人形=紙様です。
で、阿沙利誕生、力一さんの「へぇ~阿沙利・・・」ってつぶやきで起きました、さすが伝説の男、力強すぎ。
進歩阿沙利さん、起きた瞬間から女王様でした、さすが。
宇多と千乃の為にも紙様を作ります、それが白波瀬(こおろぎさん)、傷受けだけではなく家事や子育てにも力を貸してくれるお姉さん的紙様です。
それで、宇多と白波瀬二人で力一の着物を繕うんですけど、
女王様阿沙利も従順に傷を受けてくれるわけじゃないんで、やっぱり間に合わない。
んで酒蔵一つと引き換えに2体目「近衛」誕生、本CDでチューして傷受けるのは近衛のお役目です、ぎゃぁぁぁヒゲがジョリジョリするぅぅぅぅ( ,,>з<)
・・・・・・キョーレツだな小西×中井・・・。

3体の神様が完成した後でお庭に桜を植えるシーンがあるんですけど、この桜って、是5で少年彰伊(近藤隆さん)と阿沙利が約束しあう時に出てくる桜だよね?超絶カワイイ近藤少年彰伊の「頑張る」の桜だよね?
小さなエピソードだけど、ちゃんと回収してるんだね、さすがFINALです。
桜がそこそこ大きくなるまでの年数が一瞬で過ぎて満開の桜お花見シーンへ、ここで初めて千乃が話します、片言なんでものすごーっく琴葉ちっくです、さすが親子。
しかも会話の相手が近衛とか、団子とおはぎで餌付け中とか、さすが!
桜の成長と千乃の成長速度が合ってない気がするので、やっぱり千乃も歳をとりにくい体質かもしれません。
この後、白装束&キツネ面の「隠れ蓑」も登場、最初は阿沙利専用いたずらアイテムだったんだね。

言霊師としての仕事が順調な力一は、里の外にいる一族の者にも仕事をさせるため和記に新たな紙様の制作を依頼します。
その前に力一にもう一体と作ったのが『真鉄(下野さん)』、獣の状態で完成し、力一が起こすと人型に変化。
力一のために作った紙様ですが、制作主の和記は心奪われます。
半分狼の真鉄は非常になつっこく、しかも従順。
和記に「つがいになるか?」って聞かれて「オッケー」とか、素直です、さすが半野生、下野さんカワユッヾ(´ω`)ノ
んで、つがいにしちゃう、「我ながら人でなし」の和記さん暴走。
ちなみにここが、このCD本編唯一のェチィシーン(薄口仕様)、CD2枚目でも寝てる真鉄にいたずらシーンがありますが、そっちは未遂で終わるんで、ここだけです。
せっかくの「一条×」ですが、少なっ。

CD1枚目はのほほんと過ぎ、CD2枚目から貴光(前野さん)&穂積(谷山さん)兄弟が出てきます。
例の滝から流れてきた二人ですが、貴光を拾ったのは千乃、穂積は宇多で、里しか知らない超純粋培養の二人は、それぞれが拾った男にとっても好意的。
千乃なんて「和記は父様が拾って自分のものにしたんだから、貴光は千乃のものにします」と男前発言、可愛い声で男らしいコト、さすが力一の娘。
この時の千乃は実際に生きてた年数はともかくとして、雰囲気は10代前半っぽいです。
貴光は一生懸命勉強して就職して結婚しようとしていた人がいたくらいなので、若く見積もっても20代半ば。
なんで、二人の関係は恋愛ではないです、貴光は徹底して「千乃様」って呼ぶし。
貴光はまじめ人間、辛い幼少期を乗り越え安定した生活が送れるようになるまで努力した人で、生き別れの弟穂積に再会しなければ、平凡な幸せを手にして一生を終えたタイプ。
反対に、貴光曰く「立派なクズ」の穂積はホント最悪、谷山さん、演技とはいえ超ムカツク(`-´メ)
宇多は相当長生きさんですが見た目はお若く、穂積は貴光の弟ですから20代前半ってとこで、二人ともとってもよいお年頃。
しかも穂積は女性関係手馴れてます、純粋培養の宇多ちゃん落とすなんてチョロいチョロい。
白波瀬が心配そうに見守っています、っつか、心配どころの騒ぎじゃないよね。
しばらくして穂積は里を出ていくんですが、結界を超えるためについてきた宇多を、そのまま連れていってしまいます。
そこに白波瀬が現れて、お金と手紙用の式神を渡して見送るんですが、白波瀬、やりきれなかっただろうな・・・。
もうねぇ、CD2枚目からは花杏完全に白波瀬にシンクロしちゃいました、櫻花さまといい白波瀬といい、是シリーズは女性陣も魅力たっぷりです。白波瀬目線で語られるお話も読んでみたいな。

宇多が里を出て何年か経って、宇多から身ごもりましたの報告、そーです、彰伊です、まだお腹の中ですけど、彰伊のタネできました。
里を出てから良い生活を送っているらしい宇多に里のみんなは安堵しますが、白波瀬はずーっと心配し続けています。
あの手紙の内容で「幸せなんだ、良かったねぇ」って思える方が不思議だっつーの。
物思いにふける白波瀬と阿沙利が話すシーンがあるんですけど、是1では紺を、是2では氷見を、FINALでは守夜と白波瀬を気にかけていて、阿沙利って紙様たちのリーダーなんだなぁって、しみじみ思いました。
こんなに同僚思いなのに、近衛だけが別枠なのが笑えます(´艸`)

で、彰伊が生まれて、力一が名づけて、わーいわーい今夜は酒盛りだー、完!・・・なわけはなく。
外部の者が入れないはずの里に、ゴミが不法投棄される事件勃発、つまり、身内の仕業。
夜目も鼻も利く真鉄が犯人見つけます、やったのは穂積で、里に入るため、生まれて間もない彰伊を連れていました。
力一に言われて白波瀬は宇多のもとへ、言霊師と紙様の5年ぶりの再会です、白波瀬シンクロ中の花杏には、ものすごく切ないシーンでした。
お金を得るために宇多は言霊をつかって体はボロボロ、彰伊を生んで力を失い、命も終わりかけていました。
白波瀬に看取られながら宇多が願ったのは、彰伊の幸せ。
大丈夫だよ~宇多~~いろいろあったけど彰伊結構幸せになれたと思うよ。o゚(p´⌒`q)゚o。

で、だ。穂積だ。
是5で阿沙利が言ってた「心の底から憎いと思った男」は、宇多と真鉄と力一の命を奪ったヤツでした。
どうしようもないクズですが、宇多への愛だけは本物だったみたいです。
だからって全然許されないけどね。
彰伊をかばって崖から落ちた力一は、阿沙利と近衛の力でも治すことができず命を落とします。
阿沙利と近衛と、そして和記に「生きろ」と言霊を残して。

力一の死を悲しむ男たちとは対照的に、千乃は三刀の当主となる決意を固めます。
彰伊を育てることを決め、貴光の死を許さず、三刀の血を絶やすまいと進みます。
ここでも、花杏を引き付けたのは女性でした。

千乃のその後が語られ、お話は現代へ。
「奇跡の一つでも見せてくれよ」という和記の独白に、力一の「是だ」という言葉が聞こえてきます。
力一の死後も、その血を受け継ぐものが和記の願いをかなえ続ける。
宇多と千乃が繋いだ命、彰伊と琴葉が、真鉄を再生しようとしているところで、お話は終わります。

お互いの願いに「是だ」と答えあっていた力一と和記、「是」は二人の合言葉だったんですね。

きっとこの後、もう一度奇跡が起きるんだろうな、そんな予感を残しつつ、是、終演。

本当に、このお話に、出会えてよかったです。



ちなみに、本編終了後、三宅さん平川さんがお当番のオマケ話があるので、CD2枚目のラスト2トラックは、後日改めて聞き直すことをお勧めします。
さすが玄間氷見、というお話、本編で消化不良のェチィはこちらでたっぷり補充できますよ。

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