「美しいこと」と「愛しいこと」という別タイトルの2作品ですが、分けてもしょうがないので一気に書きまーっす。

美しいこと・愛しいこと

CAST 杉田智和×鈴木達央

あらすじ3c87cb57.jpg
松岡洋介(鈴木さん)にとって金曜日は特別、綺麗に着飾ってもう一人の松岡洋介になる日だ。女装した自分に注がれる視線は面白くて、勘違いした男たちを見下して歩くのはいい気分だった。ある雨の金曜日、途方に暮れてた松岡に親切にしてくれたのは、同じ会社の総務課にいる寛末基文(杉田さん)だった。女だと勘違いさせたままで会ううちに、廣末の恋心に気付く。彼を騙していることに罪悪感があるのだが、真実を告げることで彼を気付つけてしまうことと、自分自身も傷つくこととが怖くて言い出せない。ねぇ言って、俺だけを好きだと、早く言って。こんな気持ちから、早く救って。

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花杏はBLCDを聞く前に某wikiの情報を読むんですが、このCDに関しては、
「聞いてみたい、だけど、なんだかとっても大変そう、でも聞きたい、どうしよう…」
と興味と不安が拮抗してまして、でも「良作といわれているものは聞いておこう」というモットーもあるので、聞いてみることにしました。

でもその前に、原作を読むことにしました。
CDを聞くために原作を読むってなんか変~。

原作は『美しいこと(上)』と『美しいこと(下)』だったので、愛しいことも上下巻あるんだろうかとビビりましたが、『美しいこと(下)』に『愛しいこと』がありました。
2冊だしそれぞれページ数もかなりあったので、何日かかけて読もうと思ってたんですが、なんとびっくり、一日で上下巻読み切ってしまいましたよΣ( ̄ロ ̄lll)うっわ、花杏やるなぁ。
途中でやめることができなかったの、小説も2冊一緒に買っておいてよかったよ~、上巻しか手元になかったら一晩うずうずうずうずうずうずうずうず・・・・・・・・ってしてたと思う。

これは、CDも一気に聞かないとヤバいね、wiki情報は正しいよ、きっと。

だ・が・し・かーし!!!

『美しいこと』『愛しいこと』もそれぞれ70分前後のCD2枚組!
総時間数4時間45分です。

なっげーーよ!!!

いくらなんでもこれを一回で聞ききるのは無理があります。
なので、一日一枚作戦で四日かけて聞きました。
が、これがまた何の罠か知らないけど、っていうか原作読んでなんとなく気づいてたけど、
やっぱそこで切るんだ
っいうところで話が終わります、1枚目も2枚目も3枚目も、あぁやっぱそのシーンで区切るんだね・・・というところで終わるんだ。
鈴達さんの切なさてんこ盛りで再生終了です、うわぁぁぁんこっちが「もう勘弁してくれ」って言いたいわ!
なにか、試されてるんだろうか、忍耐力とか…、そんなものBLCDで試されても困るんですけど(´Д`;)

物語の始まりは主人公の女装からですが、女装はきっかけでしかないです、実際女装松岡君が出てくるのはCD1枚目のみですし。
で、廣末さんはこの『女装した松岡洋介=江藤葉子』に一切気づかないのですよ、まぁ、松岡君も男だと気づかれないようにしてますけど、恋は盲目状態の廣末さんは全っ然気づいてません(´□`。)
なので、好きオーラが出まくりでアプローチしまくりです。
相手の恋心がわかって始まる恋なんですね、なんか「言ノ葉ノ花」を思い出します。
廣末→→→松岡(女装中)です、松岡君は廣末さんの気持ちが手に取るようにわかるので、最初はちょっと面白がってます。

松岡、そこでやめておけ。

・・・・・・でやめてたら話にならないので、松岡君そのまま突っ走ってくれるんです。
恋のベクトルが廣末←松岡になるのも時間の問題だよね~(*´σー`)
両思いっぽいけど、松岡→廣末→葉子なんで、すべて一方通行です。

音声化されてちょっと違和感があったのは、葉子が廣末さんに送るメールや文字での会話が、鈴達ボイスで読み上げられるところ。小説は文字ですから、女性言葉で書かれているそれらに違和感を感じませんが、ドラマCDでは鈴達さんボイスに変換されます。
葉子さんは、本当に綺麗な女の人のイメージです、廣末さんの抱いてる幻想と同じ、なので、どんなに鈴達さんに美麗ボイスで読み上げられても、違和感がある。
葉子としての部分は女性に吹替えてもらった方が『葉子』の現実離れした感じがより一層出たと思うんだけどな。

初めは『松岡洋介』として友達になりたいと思ってましたが、ハイやっぱりね、すっかり恋に堕ちてるのは松岡君の方ですよ。
1枚目は松岡君のカムアウトがクライマックスシーン。

ここまで熱に浮かされてた杉田さんが一気に冷めます

うっわーーー超リアル、引くわ引くわ、大潮の日の海もびっくりな引きっぷりだわ。
カムアウトシーンのあと、廣末さんの部屋でちょっと話すシーンがCD1枚目のラストになるんですが、二人の会話の温度差が激しいうえ、BGMが一切ないので、沈黙がものすごく痛い、本気で
「なんか言えよ木彡田!!」
って言いたくなった。

CD2枚目からは、立場が完全に逆転します。
松岡→→→  →  →   廣末 → 葉子
廣末さん遠い遠い、松岡君、なぜこの状態で頑張ろうと思えるんだ?
廣末さんも、ここまで冷め切ってるのに松岡君に会うんだ、これはもうどうしようもない関係に落ちてるよね。
2人とも、非現実の存在の『江藤葉子』に振り回されます。
で、事件をはさんで、鈴達さんも冷めてくんです。
今までは幻想の世界を生きてた松岡が、現実をどうにか処理しようとし始めます。
ここまでの話はBLといえばBLだったんですが、ここからBL風味すら薄くなっていきます。
楽しげだった鈴達さんの声がどす黒くなってくし、女の子も話に絡んできます。
切ないでもない、もどかしいでもない、ただただ松岡と同じ気持ちになります。
この時間が早く終わってくれ、みたいな。
腕時計のシーンは好きです、好きっていうか、松岡の気持ちがすごくよくわかるんです。
好きな人のものを持っていたいってのは、すごく女性的だよね?制服の第2ボタンの心理っていうの?仕事面でもビジュアルでも松岡君が男性であることが強調されてゆくのですが、腕時計というアイテムを一つ挟むことで女性リスナーは松岡に感情移入しやすくなってると思います。
ちなみにこの腕時計、小説でも最終的にどうなったのか書かれていませんでしたが、CDのブックレットで時計の後日談が語られてました。
ブックレットのお話って本編に差し障りない程度に書かれるものだと思ってたけど、これは重要なお話だったので、CD侮れないと思いました、っていうか腕時計話読めて良かったヽ(´▽`)/原作ファンで腕時計のその後を知りたい人は、CDを買って読んでみよう!

松岡モノローグで話が進むので仕方無いことだけど、あんまり松岡寄りに考えてると、対松岡の時の廣末さんにイラッときますよ、杉田さんがまたボソボソボソボソ喋ってくれちゃうから、相乗効果でイライラムカムカ( ゚皿゚)キーッ!!
実は、wikiの情報を読んで一番気になってたのがこの「廣末」というキャラクターでして、CDでこの人にムカついて、せっかく買ったCDなのに聞かなくなるんじゃないかなと思ってたんです。
だからまず原作を読んでみたんですよね、自分的に廣末がどんなもんなのかと。
で、先にも書いた通り原作一日で読んでしまいましたよ。
よしわかった、原作は良かったとても良かった、ってことは廣末さんは花杏的にはオッケーだ、あとは杉田廣末を受け入れられるかどうかだけだ、よし来いどんと来い、こっちは準備万端いつでも戦闘モードに突入できるぜカモン木彡田!!!

そしていざ対決、しかし敵はやっぱすごかった。
杉田さんムカつくくらい廣末さんだった。
いや、良いんだよそれで、あってるよそれが廣末さんなんだよ。

「美しいこと」は、廣末が松岡に「時間をくれますか?」ってお願いするところで終了します。
こんなこと言われたら待っちゃうに決まってるじゃん、待ってればいつかオッケーもらえるって期待しちゃうじゃん、でも廣末さん絶対そんなこと考えてないんだって、んなもん木彡田の声のトーンで丸わかりだっつーの(`ε´)
鈴達さんのラストのセリフは、モノローグじゃなくって木彡田にぶつけてやれ!!!
あ、木彡田じゃないや廣末さんだ、っつかもうどっちでもいい。

でも、こんなところで廣末さんに躓いてたら、「愛しいこと」は聞けないんだよ。
だって「愛しいこと」からは、目線が廣末さんに変わるんだもん。


お話の途中で目線が変わるCDで思いつくのは「恋ひめやも」ですね、あっちは前半がセメで後半がゥヶですけど。
「恋ひめやも」でもお誕生日のケーキの話が出てきましたが、さりげなくかっこいい棚橋君とは違って、廣末さんはなんかもういろいろヒドイ(ノ_-。)いろいろ残念┐(´д`)┌こんななのに心底嬉しそうな松岡君が不憫でしょうがないです。
松岡、だからやめておけって言ったのに。゜゜(´□`。)°゜。
まぁね、廣末さんの行動も分からなくもない、恋愛感情が無くても好きな人って普通にいるもん、まして同性同士じゃ「人として好き」って自然な感情だよ、恋愛に持ってく松岡君がおかしい。
でも、聞いてるこっちは頭のてっぺんまで松岡モードに浸ってますから、廣末コノヤローと思えてくる、待て落ち着け冷静になれ自分、ぐだぐだ木彡田なんかに負けるな!

・・・・・・・小説では気にならなかった廣末さんがこれだけムカつくってことは、完全に杉田さんの勝利なんだよね、もういろんな意味で腹立つ(`ε´)

でね、愛しいことの1枚目のCDも、はぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっ、ってなって終わるんです。
イタタな終わり方ですが、5時間近い超大作CDも、あと1枚で終わりだよ。
―――――そしてやってくる某wikiで話題になってた木彡田の高笑い
そうかこれかこれのことだったのか、なんかさっきまで木彡田に負けっぱなしだったのがこれでちょっと勝てた気がしました 、って花杏はなぜ木彡田と勝負しているんだろう・・・。
4時間近くじらされてきましたが、やっと「愛しい」っぽくなります。
あくまで「っぽく」なるだけです、そこはもう廣末さんですから、廣末 →松岡にベクトルが変わってるにもかかわらず自覚ゼロなんで、「まだなのかよコノヤロー」ってなります。
でも、この部分は廣末モノローグで良かったです、だって、松岡モノローグだったら多分死ぬ、泥酔した廣末さんと過ごしたホテルのあたりでこっちの気力が持たなくなって最後までたどり着けないと思う。
だってさ~、何となくラウ゛っぽくなっても、今までが今までなだけに決して「ラウ゛ラウ゛(*v.v)。」じゃないんだよね、どこかしら切ない。

で、本当にラウ゛ラウ゛になってからがウルトラ短いです。

ラウ゛なのに、ラウ゛ラウ゛なのに、やっぱり切ない!!!

4時間45分頑張った分がこんな小さな幸せで終わっちゃうなんて(/□≦、)

廣末さん曰く「こんな息も止まりそうな恋をしてたら・・・」云々

   ってこっちの息が詰まるわ( ゚皿゚)!!




やー二人とも、よく頑張ったね。
この後はただのバカップルになるだけらしいから、幸せになった二人は妄想で補充しておかなきゃ。


最後になりましたが重要な情報をひとつ。


このCDに工口を求めてはいけません、そんなのどこにもありませんから。

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