DABAの仲良しさんたちでラブラブCD作ったって言うから聞いておこうぜ!日野&立花編

恋ひめやも
CAST 日野聡×立花慎之介 千葉一伸

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『できることならあの人に恋なんてしたくはなかった・・・』将来を約束した恋人がいる棚橋孝太郎(日野さん)は、高校の同窓会で当時の担任水原慧(立花さん)に再会する。水原が棚橋の担任だったのは今の自分と同じ25歳の時、そのころの先生の恋愛が、担任をしていた姿からは想像もできないほど押しつぶされそうな恋だったことを知る。もしもタイムマシンがあるのなら、あのころに戻って悲しい恋をしていた先生を支えてあげたい、そう思う自分こそ、どうしようもない恋に堕ちていたのだった。

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DABAの人たちのCDです。
DABAは、同い年の声優7人組のグループ名で、このCDの主演二人の他、小野大輔さん福山潤さん間島淳司さん菅沼久義さん近藤孝行さんの7人がメンバーです。
日野さんと立花さんはこのグループの他、二人でユニット組んでもいるようですよ。
そんな2人が主演のドラマCD、ちょっと他にはない独特な雰囲気がある作品です。

が、とりあえずタイトルが読めない。
漢字もひらがなも音はわかるんですが、つなげて読んでもどうもしっくりこない。
普通に読めば「こいひめやも」だけど、たぶん間違ってる、と思う。
だとしたら「こいめやも」もしくは「こひめやも」だと思うんだけど、何だこれ読めませーん。
正解はこいめやもでした、CDの中で国語教師の水原先生が教えてくれます。

私毎回CDのあらすじを他レビューを全く見ないで自分で書くんですが、このCDのあらすじ・・・あらすじ?あらすじも何も、恋に溺れてく棚橋君のお話で、100分のドラマ中何の事件も起きないわ先生はツンツンツンツンツンデレだわ昔の男(千葉一伸さん)とは終わってるわ今カノはあっさり切り捨てるわ、とにかくコメディもサスペンスも存在しないので、そんな話をまとめろと言われてもそれは無理だと思ったね。棚橋君が恋に落ちて最終的に二人は付き合いますってだけの話。普通のBLなら、ここにトンでも設定とか恋に堕ちるための事件とか何かしらがあるんですが、この二人には何もないんです。恋に堕ちる様や相手に心を許す様のみなので、ある意味BLの本質だけをとらえてる作品なのかも。
CDだけでもお話は十分分かりますが、花杏は視聴後に原作を読みました。
以下からレビュー始めますが、CDレビューというより読書感想文に近くなります&大真面目に書きます&多分長いですι(´Д`υ)


このお話は前半と後半に分かれてます、CD1枚目は棚橋君視点で2枚目が水原先生視点。モノローグが日野→立花と途中で入れ替わるんですが、理由は小説を読むとわかります。
物語前半棚橋君視点のお話は、小説では『いつか終わる恋のために』というタイトルで、小説でも棚橋君の一人称で話が進みます。『恋ひめやも』は後半部分のタイトルで、CDでは水原先生の一人称になってましたが、文章は水原視点の三人称です。
この二つのタイトルをつなげると

『いつか終わる恋のために恋ひめやも』

になって、なんか俳句っぽく読めるんですけど、お話の中にも何篇か短歌が出てくるし、たぶんタイトル続けて読むと俳句っぽくなるのは作者さんの意図的な仕掛けだと思うんですけどどうでしょう?
とまぁタイトルからして文芸書風味あふれてるんですが、物語自体もとっても文学的。
BL作品のタイトルって「なんでそんなタイトルつけたの…」みたいな作品もちらほらありますが、この作品に関してはタイトルが全て、この「恋ひめやも」の受け取り方一つで、CD全体の解釈も変わってくると思います
FTで立花さんが「『恋ひめやも』に全部かかってくる」ってさらっと言いますが、立花さん台本すごい読み込んだんだろうな~って感じました。主演二人の演技の変化はまさに「恋ひめやも」。
前半は棚橋君が先生を好きになる過程が書かれてますが、初めのころの棚橋君は「高校生がそのまま大人になりました」みたいな明るい声で、先生は「感情があるんだかないんだか…」っていう無機質声。
そのうち、先生の感情が少しずつ言葉に表れ、棚橋君は恋する大人の男になってゆき、お互いの気持ちをそれぞれ知った後は、落ち着いた棚橋君と感情むき出しの水原先生に変わってます。

ここまでが棚橋君視点の前半、お互いがお互いを好きだとわかっていますが、まだハッピーエンドになりません。

視点が水原先生に移ったところから『恋ひめやも』が始まります。ここからが本題、そして聞いてる側の国語力も試されます、花杏ちょっと特殊な高校の出身で古典の授業をほとんど受けたことがないんですが、つたない国語力を総動員して頑張って書きます。
まず出てくるのは『風立ちぬ』の生きめやも、この解釈について二人が語り合います。
水原先生曰く、『生きめやも』は「生きていこうか、いや、死のう」という意味。
棚橋君は「辛くても生きていかなきゃいけない」ってことだと解釈します、その解釈に対して先生が持ち出したのが万葉集にある短歌
紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我れ恋ひめやも
です。ここでやっと『恋ひめやも』が登場。「どうして恋なんかするだろうか、いやしない」という歌ですが、歌の本当の意味は全く逆で「私はあなたに恋している」になる、だから棚橋君の生きめやもの解釈も間違いじゃないってなります。万葉集にある短歌で他に『恋ひめやも』が出てくるのは?という話になって出てくるのが
長月の有明の月のありつつも君来まさばわれ恋ひめやも
です。
このシーンでは短歌の意味は教えてくれませんが、これこそが水原先生の抱える『恋ひめやも』です。
この短歌の後の二人の会話が小説とCDでちょっとだけ違うんですが、CDの脚本家の方、いい仕事してくれました。CDの方が自然な会話になってて好きです。

キーワードが出てきたところから、水原先生の内面がどんどん出てきます、非常にめんどくさい人です、自分で言うのもなんだけど性格がかなり歪んでるって言っちゃうくらい後ろ向きです。この水原先生のなかなか踏み切れない性格が嫌だって思う方、「恋ひめやも」の解釈を変えてみてください、もしかしたら納得できるかも。
先生の誕生日に、二人は一度別れます、付き合ってないので別れるっていうか先生が一方的に切るんだけどね。切った後で先生が泣くんだ、うわーん立花さんセツナイ(ノ_-。)

一人になることで、先生は思う存分棚橋に恋をすることができます。この時に先生が詠むのが先ほどの「長月の有明の月のありつつも君が来まさばわれ恋ひめやも」です。ここでやっとこの歌の意味が分かります。

「君が会いに来てくれたなら、こんなに狂おしい気持ちになることはないのに。恋などするだろうか、いやしない。恋なんてしない。恋なんてしない」

先生---!!!(/□≦、)
めっちゃ恋してるってば、棚橋君今来て今、今なら先生落とせるよ!

って思ったらホントに来た、良いタイミングで来た、しかも強引。
押してダメなら引いてみろ、それでもだめなら押しまくってみろ、です。
棚橋君、それはもう強引にすべてを奪っていきます、よくやった棚橋!
ェチィの途中から水原先生がどんどんかわいくなってきます、よくやった立花!!
その後棚橋君はロマンチックなスケベ野郎(※本人談)に変貌していきます、よくやった日野!!!

普通ならここでハッピーエンド、今まで散々だった分やたら甘い2回目(小説によると6回目)はおまけ扱いになるところですが、この話はまだ終わらない。
このあと「いつか終わる恋のために恋ひめやも」となります。

いつかこの恋は終わるかもしれない、いや、終わるだろう

先生の中で、この考えは変わっていません、変わったのはその後

その時が来ても棚橋は隣にいてくれるかもしれない

「恋ひめやも」を「恋なんかするだろうか、いやしない」と言葉の意味そのままに受け取っていたのが、「そう言ってることこそが恋」と裏を返すようになるんです。「生きめやも」の意味を語った時には考えられないことでした。だから告白するんです、棚橋君に、最後の最後ですよ、水原先生やっとここまで来れました。

いつか終わる恋のために恋などするだろうか、いや、しない、でも恋してる、いつか終わるとしても。


はぁぁぁ終わった。
日野さん立花さんお疲れ様でした、この話を音声化するのは大変だったと思います。男同士の恋愛だけを演技するので全編通してほぼ二人で話してます、これ下手したら朗読劇になったよね。

良作?名作??評価は分かれるかも、私は「力作」だと思います。日野さんと立花さんが真正面で向き合って作ったドラマって感じ。
二人のファンでもそうでなくても、BLCDファンの方は是非一度聞いていただきたいです。聞いていただきたいけど、なんかこれ、入手困難CDらしいですΣ(`0´*)

はぅ、どこかで版権買って再販してくれるといいんだけど、この作品を埋もれさせるのはもったいないよ。

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